都会のマモノ
さっき気づいた。
地下鉄の上は剥き出しの世界。
パイプやら線やらが張り巡らされ、それをネットで覆って天井が出来ている。それで天井が出来るんだ……。発見してしまって、感動。でも本当は気づいてはいけない世界だったのかもって思ったり。
ネットは編み目が荒いから全部見える。でも私は乱視と近視とドライアイのトリプルパンチだから本当はよく見えない。だけどあんなに大きなパイプやネットが見上げる限りに限りなく巡らせてあるから雰囲気がわかる。そう、雰囲気をみてる。
今気づいた。
雰囲気をみてるんだ私は。
廃退的な雰囲気。工事中かなんかで変わりつつある地下鉄。都会の中でうごめくマモノ。雰囲気マモノ。(宮野ー?それはマモル。)
地下鉄の改札を抜ける時、みんな気づかないくらいの何ともないマモノを私はこれから見上げるのだろう。心の中でこっそり挨拶したり。やぁ、マモノ。相変わらずだな、みたいな。……くだらないなぁ。くだらないのが最高に楽しいんだよなぁ。
気づいた時から私は君を無視できない。